生活保護費の見直しが行われることになった。エライ先生方は机の上でしか物事を考えないので、とりあえず減額という方向に決まったようだ。

本当の問題はそんなところには無くて、受給された生活保護費を屋内遊戯施設で散財したり、受給そのものが不正だったりすることにあるのだが、その辺りに目を配ると人件費がかかるのであえて見ないふりを決め込んでいるようだ。

かく言う私も失職中。でも、生活保護費は申請していないし、失業手当も受け取っていない。失業手当が受け取れない理由は、簡単に言えば治らない病気を抱えているから。

だから退職事由は「病気」なんだけれど（まあ会社的には「自己都合」というやつ）この病気には、退職前から大枚をつぎ込んできた。結構な年月と結構な費用を費やした挙句「これ以上治りません」と病院からあしらわれ、じゃあ通わなくていいのかと聞いたら「経過観察していないと重篤な症状になったとき対応できない」と定期検診だけ勧められて身動きもとれやしない。

無職なのに、働いていた時の僅かな蓄えがあるので生活保護も申請できないこの有様で医療費だけは嵩んでいく。はっきり言って、そう遠くない将来蓄えが尽きて生活できなくなる。

最近、障がい者を装って本当の障がい者の方々を傷つけた有名人がいたが、いったいどうやったらあんなことが可能なのか全く不思議に思う。生活保護費の不正受給にしてもそうだ。何年も、場合によっては何十年も発覚しないまま受け取っている不逞の輩がいる一方で、私の知っている老夫婦などは生活苦から年金を納めていなかったばっかりに、国民年金の支給も受けられず自分たちの葬式費用にと貯金が残してあるという理由で生活保護費の申請すら却下された。

よく理不尽は人生の肥やしだというが、こんな理不尽が人生の肥やしになるというのだろうか。

机の上で生活保護費を減額できたと思っているエライ先生方には、ぜひ一度その老夫婦と生活を交代してもらいたいものだ。そして、受け取るべきでない金銭を人を騙して受け取っている人たちには、もう少し人生の理不尽を味わってもらいたい。

働いてなおその人たちより生活の苦しい人もいるのだから。